2009年12月に読んだ本

●バレエ・メカニック/津原泰水(早川書房)
●世界クッキー/川上未映子(文藝春秋)
●猫を抱いて象と泳ぐ/小川洋子(文藝春秋)
●きれいな水の冷たい流れ-つれづれノート17/銀色夏生(角川文庫)
●睡蓮の教室/ルル・ワン(新潮クレストブックス)
●マイケル・ジャクソン裁判-あなたは彼を裁けますか?/アフロダイテ・ジョーンズ(ブルース・インターアクションズ)
●夢見る黄金地球儀/海堂尊(創元推理文庫)

「よーし、2009年、印象に残った本ベスト3を書くぞ!」と気合を入れていたら、2009年12月に読んだ本をアップしていないことに気づきました。今年はこの注意力散漫っぷりを改善したいです。
ということで2009年12月に読んだ本です(上の2冊は感想アップ済)。

小川洋子さん『猫を抱いて象と泳ぐ』。ダ・ヴィンチ2010年1月号の「プラチナ本オブ今月のプラチナ本」に選出されていたこともあり、刊行から1年近く経ってようやく購入してみました。
・・・なぜだろう、私は、小川洋子さんがツボに入らないのだ。これは自分でも本当に不思議。入ってもよさそうな作品世界だといつも思うのに、読んでも読んでも、残念な気持ちで本を置くことになるのだ。
小さなチェス指し、リトル・マトリョーシカが辿った小さな人生。設定は好みなのに入り込めない。

おそらく、小川氏が「饒舌すぎる」からだと思うのです。「小さなものが謙虚に生きていく」ことの美しさや切なさが、分かりやすく直接的に表現されすぎているのだ。ううーん・・・。クールさが足りないのか。
いしいしんじ氏を苦手に思うときの気分とちょっと似ている気がしました。嫌いじゃないのに、無念。

銀色夏生さん『きれいな水のつめたい流れ-つれづれノート17』。中学生の頃から読み始めたつれづれノートなので、もうかれこれ20年近くも銀色氏の人生を見学していることになりますね。
結婚したり離婚したり子どもを産んだり引越ししたり子どもがいじめに遭ったり親の介護が必要になったり、どんな出来事に対しても常に冷静な考察を施しながら一定のテンションで接する銀色さん。つれづれノートは「哲学を実践すると生活になる」ということを教えてくれます。頼りになる本です。

今回印象に残った文章は、「私は時々言葉を、その本来の意味ではなく、別の目的のための手段として使うことがある。ふざけているのではなく、いつも真剣ではあるのだけど。どんな言い方もできると思う時は、たぶんどれも違うんだ。言葉で、遊ぶのはやめよう。言葉を気楽に使える人以外には」というところ。肝に銘じよう。

新潮クレストブックスからはルル・ワン『睡蓮の教室』。
文化大革命下の中国の様子を本作で初めて知りました。文革ってこんなんだったのか!
衝撃的なのは、これが1970年代前半という極めて近い過去だということ。100年前とかじゃないんだ。思わずWikiで「文化大革命」を熟読・・・。自分の無知を恥じると共に、小説の力を痛感しました。
小説の質としては粗っぽいし決して優れているとは思えないんだけど、とにかく事実のパワーに圧倒されました。だから外国文学って面白いんだ。今年もどんどん読もう。

ある意味外国文学かも知れないのが『マイケル・ジャクソン裁判』。先輩が貸してくれたのですよ。
2009年に逝去したマイケルジャクソンが訴えられていたあの裁判を、取材していたジャーナリストが一冊にまとめたもの。「裁判記録」としてはあまりに主観的、感情的、非論理的でてんでお話にならない本でしたが、アメリカという国が持っている病理の一端が垣間見えたという点では興味深かった。
アメリカ国民が程度の差はあれど、おそらく等しく蝕まれているのであろう病理、それは「資本主義」。

この本の主役はマイケルでも、マイケルを訴えた「お金目当てのファミリー」たちでもない。
たぶん、主役はお金なのです。なぜなら、マイケルがいなくてもこの種の事件は起こり得るけど、「お金は善」「お金は正義」「お金より大事なものはない」という信仰抜きにしては起こり得ないからだ。読み終えて、アメリカという巨大な国のことを私はまだまだ知らないのだ、としみじみ思いました。
あ、ちなみにマイケル・ジャクソンは14の訴訟すべてで無罪だったのですね。大変でしたね。

海堂尊さん『夢見る黄金地球儀』。うん、時間潰しにはなったが、潰す時間など私にはないぜよ。

猫を抱いて象と泳ぐ

小川 洋子 / 文藝春秋


きれいな水のつめたい流れ つれづれノート(17) (角川文庫)

銀色 夏生 / 角川書店(角川グループパブリッシング)


睡蓮の教室 (新潮クレスト・ブックス)

ルル・ワン / 新潮社


マイケル・ジャクソン裁判 あなたは彼を裁けますか? (P‐Vine BOOKS)

アフロダイテ・ジョーンズ / ブルース・インターアクションズ


夢見る黄金地球儀 (創元推理文庫)

海堂 尊 / 東京創元社


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by saku_2425 | 2010-01-04 17:52 | 本をよむ
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