白石一文さん直木賞受賞

第147回直木賞は、佐々木譲さんと白石一文さんが受賞されましたね。

昨年12月の日経オンラインの「著者に聞く」コーナーに、白石一文さんが登場されていました。
「『運命の相手』は間違いなく存在する-31歳独身“婚活中”女性記者、作家に結婚指南を受ける」というタイトルで(すごいタイトルだ)、白石さんが最新作の『ほかならぬ人へ』を語る、という構成でした。

主題はタイトルの通り、「真実の相手は必ず居るが、簡単に会えるものではない。幸せな結婚をするためには、雑音に惑わされず、よほどの確信をもつまでは結婚しないこと」みたいなひじょうに益体もないことをぐちゃぐちゃと語らされていて(笑)、笑いながら読んでいたのですが、そういう白石さん個人のマッチョでロマンティックな結婚観なんかはどうでもよくて、私が印象に残ったのは別のところだった。

それは、インタビューの冒頭で白石さんがきっぱりと、「僕は男性に向けて小説を書いてきた」「主人公が女性の作品もあるが、あくまで男性の視点から見た女性だ」「僕のすべての小説は男性仕様だと言っても過言ではない」「男性が読んでくれたらいいなあと思いながら書いている」と語っていたことです。
本人がきちんと表明しているにも関わらず、インタビュー内では意図的にその視点を外しているように見えたな。インタビュアーがあまりに無邪気な女性誌的態度なので、作家のシニカルさが生きなかった。

このインタビューでは、白石さんを“「この世の成り立ち」についてのストイックな思索を、エンターテイメント性に富んだストーリー展開の中に巧みに織り交ぜる手法で支持を集める”と紹介していました。うまく表現しているなあと思いましたが、そこに「男性視点から」と付け加えてもよかったかも知れない(笑)

おや、芥川賞は該当作なしだったんですね。とりあえず誰か受賞させれば本も売れるでしょうに、審査員の文学的矜持によりビジネスチャンスがつぶされたようにも見えちゃうね。
出版界が世間に注目される半年に一度のイベントなんだから、関係各社は協力してチャンスを生かせばいいのにな、とスノッブな本好きである私は個人的に考えます。
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by saku_2425 | 2010-01-15 13:09 | 本をよむ
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