(500)日のサマー

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今日は昼まで眠って元気を補給し、夕方から外出して「(500)日のサマー」を観てきました。

キュートで不思議なラブストーリーという漠然としたイメージを抱いていたのですが、のっけからナレーションで「これはラブストーリーではない」と念押しされてしまう。なんじゃそりゃ。
ラブストーリーでなければ何なのかと思いながら観ていたのですが、サマーに恋をしたトムの500日間を時間軸バラバラに描いているこの映画、そう、確かにラブストーリーではない。
なぜならふたりのストーリーは語られず、一切はトムの目を通した「描写」でしかないから。

主人公の男の子、トムを演じるジョセフ・ゴードン=レヴィットがとっても魅力的でした。
繊細で夢見がちで、優しくてユーモアがあってプライドが高くて頑な。犬のような目で一生懸命彼女を追う様子も、うまくいかなくなって自暴自棄になる様子も、とても知的に演じていました。
逆にサマーにはそこまで魅力を感じなかったのだけど、それはそもそもサマーの人物造形が「普通の女の子」だったからではないかな。その意味で、女優さんはとても上手く演じていたんじゃないかと。

エキセントリックでチャーミングな自由人であるサマーだけど、それはトムが描いたサマー。
真実の彼女は、ちょっと自意識過剰で情緒不安定で幸せになりたい、平凡な女の子なのだと思う。

「運命の恋なんて信じない」というサマーは、「恋人なんて要らない」と言いながら奔放な言動で純情なトムを引っ張りまわす。「サマーこそ運命の女の子だ」と思うトムは、サマーの意志を尊重しようとしながらも気持ちを抑えられなくなり、「ふたりの関係って何!?」と問いつめる。
そう、このふたりはとても「普通」なのです。ありふれた恋が始まり、ありふれた破局が訪れる。
ありふれた恋でも客観的ではなく主観的に描けば、こんなにもドラマティックな500日なのだ。

正直に告白すると、恋に舞い上がるトムのみっともなさや痛々しさがとても他人事とは思えず、けっこうな頻度で下を向いていました。ええ、ええ、私も恋をすると周りが見えなくなるタイプです。
明らかに気持ちが冷めているサマーを何とかもう一度振り向かせたいとあがくトム。周囲の友人たちから的を射た忠告をされても、全く受け入れずに猪突猛進。もう、全身全霊で恋をしちゃうんだ。
恋をして、天国と地獄を味わって、何とか立ち直るまでの500日。・・・500日もかかるのか・・・。

最後の最後、トムがサマーに「君は欲張りなんだね」と言うときのトムの表情がよかった。
「恋ってどうしようもなくみっともないよね、仕方ないよね!」と語り合いながら家路につきました。
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by saku_2425 | 2010-01-17 01:40 | 映画をみる
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