小沢健二 コンサートツアー“ひふみよ”

以下の記述は全て私の記憶(頼りない)に基づいています。ご本人の台詞、セットリスト等に間違いがあるかも知れませんが、どうぞご寛恕ください。雰囲気だけ掴んでくだされば幸いです!

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2010年6月25日(金)、小沢健二コンサートツアー“ひふみよ”の最終日に行ってきました。
会場は福岡サンパレス。開場は18時30分だったけど、18時に行くと既に雨の中たくさんの人々が列をつくっていて、色とりどりの傘を見ながら車の中で本を読んで待つ(ものぐさだから・笑)。

やがて開場したのでホールに入ると、Tシャツと書籍が販売されていてここにも長い列。
東京でのコンサートに行った友人からグレーのTシャツと書籍を勧められていたのだけど、さすが最終日で書籍は完売、Tシャツもサイズがない。せっかくなので鮮やかなブルーのいちばん大きなサイズを買ってみました。
まだ時間があったので、ホットコーヒーとサンドウィッチを食べながら客層を観察。
20代~30代が中心で、男性:女性が3:7くらい?着物姿の女性もちらほら目につきました。

2階の指定席に着き、開始時刻の19時を数分過ぎたとき、照明が一斉に落ちて完璧な暗闇に。
闇の中から小沢さんの声がしてきて場内にきゃあっという歓声が沸き起こり、また静かになる。
2003年に起きたニューヨークの大停電を小沢さんが語る。機能が麻痺した大都会で人々が味わった非日常。ろうそくを灯し、電池式ラジカセで聴いた音楽は、いつもよりもっと鮮やかだったと。
暗闇の中で聴いた音を人は忘れない、やがて日常に戻ってもその記憶は消えることはないと。

そう、このコンサートはMCの代わりにところどころに小沢さんの朗読が挟まれました。
自転車に乗るときだけ日本人のアジアの血が騒ぐとか、笑いはどこの国でも「自分たちにしか分からない」という笑いがいちばん支持されるとか、明るく落ち着いた声のていねいな朗読でした。

完全な暗闇の中で歌われた1曲目は「流星ビバップ」。
CDで聴いてたより深くて太い声、よく伸びて朗々と響く語尾、少し鼻にかかった甘い歌いかた。
そして照明がつき、ステージに並んだミュージシャンの中央にギターを抱いたオザケンを認め、会場が悲鳴のような大歓声に包まれました。そして私は「あ、本当に実在した」と思ってました(笑)

オザケンの第一声。「ご、ごぶさたしてます」←噛んだ(笑)

『LIFE』時のメンバーが揃っているということで、本当にCDそのままの演奏でとっても不思議でした。懐かしいという感覚はなかったのだけど(以前に聴いたことがないから)、「うわー、生だ・・・」みたいな素朴な感動がひしひしと。ピアノの間とかギターのリフとかトランペットの音色とかそっくりそのままなんだねえ、と。
イヤフォンで、部屋の中で、車の中でひそやかに味わっていた「私だけの音楽」がこうして大音量で再現されている不思議!それをたくさんの人々が身体を揺らして楽しんでいる不思議!

小沢さんは何度もステージ上のミュージシャンたちを愛しそうに見つめながら歌ってました。
穏やかで落ち着いていて、肉声のMCではよく噛みながらも(笑)、感謝の言葉ばっかり述べてた。
よく言われていた「気まぐれで才気あふれる王子様」というイメージはなくて、ひとりのストイックな音楽家という印象でした。周囲をよく見ていて、ひとつひとつの言葉を選びながら慎重に話していた。
ほっそりと小柄なのに声はよく出ていて、時折ソロで聞こえるギターはハッとするほど鋭くて、ダンスはチャーミングで(42歳だろ・・・)、すごいなあ、すごい人だと思いました。

ヒット曲「ラブリー」が演奏されたとき、歌詞を代えて観客も合唱したのだけど、そのとき小沢さんからレクチャーされた歌詞のひとつに「完璧な絵に似た」という言葉がありました。「lovery, lovery day, 完璧な絵に似た」と歌うのです。
ああ、この言葉は私がオザケンの世界に対して抱いている気持ちを表してるかもしれない、とひどく心を打たれる。彼が歌うような恋があって、彼が歌うような喜びがある、完璧な絵に似た小沢健二の世界。「完璧な絵」というものが実在すると信じさせてくれるような小沢健二の言葉。

今回、新曲として歌われたのは「いちごが染まる」「シッカショ節」「時間軸を曲げて」の3曲でした。
どれも個性的でのびやかでとても好きでした。「シッカショ節」は日本の民謡をベースにしたかっこいいアレンジで、「は~っ」と合いの手を入れるときの小沢さんの声がすごくセクシーだと思った(笑)
ちなみにステージ上にはどーんと提灯が降りてきたのですが、スタッフさんのサプライズだったらしくて小沢さんはひどく驚いてました。そして「もう一回やれってこと?」と再度演奏してくれました。
アルバム出してほしいなあ。より豊かな音楽性が詰め込まれた魅力的なアルバムになるよ。

「今夜はブギーバック」のとき、サプライズゲストとしてスチャダラパーの3人が飛び出してきたのですが、何に驚いたかって、会場の沸き起こった大歓声と同時に足元がぐらぐらと揺れたこと!
いやあ、賑やかでかっこよくて私もおおいに歌って踊って気持ちよかったのですが、揺れたよ・・・。ちなみに私の前の席の女性が忘我の境地でずうっと踊りまくっていたのですが、そのくねくねとした踊り方が篠原ともえに似すぎていた。そして隣の男性はヘッドバンキングしていた。いいけど。私もたぶん変だったし。

小沢さんは曲の合間にもゆっくり語ってくれて、楽しませてくれて、気づけば3時間半という長丁場。
絶対に泣く!と思っていたのだけど、これが意外なことに、泣かなかったのだなあ~。
おそらく「また彼の新しい音楽に出会えるだろう」という展望が見えたからでしょう。何らかの告知があったわけではないけれど、少なくとも小沢さんは動き出しているような、そんな気がしました。
彼の物語はまだまだ続く。メッセージはまだまだ届く。そんな希望に満ちた喜びの時間でした。

いちごが染まるとあなたは喜ぶ/わざわざ見にくる/頬に笑みをたたえて(「いちごが染まる」より)

また見にいこう。頬に笑みをたたえて。

セットリスト(※朗読は省く・・・そして記憶に頼る・笑)

01 流星ビバップ
02 ぼくらが旅に出る理由
03 天使たちのシーン
04 いちごが染まる<新曲>
05 ローラースケート・パーク~
   東京恋愛専科・または恋は言ってみりゃボディーブロー(Remix)
06 ラブリー(みんなで歌詞を練習)
07 カローラⅡにのって(オリエンタルver.)
08 痛快ウキウキ通り
09 天気読み
10 戦場のボーイズライフ
11 強い気持ち・強い愛
12 今夜はブギー・バック
13 夢が夢なら
14 麝香
15 シッカショ節<新曲>
16 さよならなんて云えないよ~メンバー紹介
17 ドアをノックするのは誰だ?
18 ある光(弾き語りでサビをワンフレーズのみ)
19 時間軸を曲げて<新曲>
20 ラブリー
21 流星ビバップ

アンコール
22 いちょう並木のセレナーデ
23 愛し愛されて生きるのさ
24 いちごが染まる<新曲>
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by saku_2425 | 2010-06-27 23:56 | 音楽をきく
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