英語学校への通学および課題と、会社で義務付けられているオンラインの英語学習が物理的に両立しなくなってきたので、上司のアドバイスに従って英語学校に相談してみる。
サク「あのぅ、3月まで休学させてもらえませんか?」 受付「ダメです」 もー映画観に行ってやるから! 冲方丁の『マルドゥック・スクランブル』が映画になってるなんて誰も教えてくれなかったわ。 うわさによれば、オリジナル刊行時には挿絵つきのノベルであるらしいし、さらに漫画化もされているとか聞くけれど、私が購入・読了したのはあくまで「改訂新版」だった。 装丁はシンプルに真っ黒で、闇が立ち上るようなそれを私は非常に気に入ったのだけど、登場人物のイラストとか当然なかったわけで。それが映画化されたと聞けば、ルーン・バロットやウフコックがどのような造形であるのか気になるのは当たり前じゃないですか。ねえ。 そんな単純な動機でほいほいと行った映画館。最後列で本を読みつつ(私はひとりで映画に行くときはかなりの確率で最後列を選ぶ)、時折ちらちらと客席を眺める。 青い髪をツンツン立てたお兄さんに、隣に寄り添う黒髪のゴスロリちゃん。ひしとくっついて何かを一心に覗き込んでいる高校生と思しき男の子3人組。くたびれた(主に頭髪が)スーツ姿のおじさんは音を立てて何かを咀嚼している。その斜め前には、私と同じ年頃の女性がひとり凜とスクリーンを見つめている。まだ何も映っていない、暗くさえないスクリーンを見つめている。 そして予告編はマクロス。ああ……、エヴァのときもマクロスの予告編を観た気がするんだ。 マクロスってどういうアニメなんだろう。歌を歌っているよ。歌を歌っているよ。 始まる前にちょっと心がなよなよしましたが、映画は良かったです。原作の名言至言がそのままオンパレード。だって脚本が冲方丁本人なんだもの、そりゃブレないわよ。 「世の中はお前が思っている以上に焼けついてるさ」「焼ける前に火を消すさ。それが俺の有用性だ」「命が消えたあとの、虚無をくれ」「抱いて。タイトに」忠実!忠実ですな! しかしああ、やはり、私の懸念は的中するのでありました。「あの厚い原作を、1時間ちょっとにどうやって収めるの?」-答えはもちろん“分割”。シリーズなら最初からそう言ってよう……。 盛り上がった頂点で暗転、エンディング!という流れに未だ納得できない。連ドラか。 「アメイジング・グレイス for バロット」という本田美奈子.の歌声を聴きながら、場内のあちこちから聞こえる啜り泣きに耳を澄ませる。あのカップルも泣いてるのかな。くたびれたおじさんも泣いてるのかな。それはバロットに心を寄せて?ぼんやりと映画館を出る。 さあ、次回作はいつ上映なんでしょう。原作でも続編が出るらしいな。楽しみにしておきます。 ところで、上映後に友人に感想を伝えたところ、「あなたの行く映画館はどうしてそうエモーショナルなのだ」と問われる。そういえばエヴァでも歓声と拍手が沸き起こったし、マイケル・ジャクソンの『THIS IS IT』でもスタンディングオべーションだったよ。映画館ってそういうものじゃないの? 友人「本当の映画館は、時々囁き声が聞こえるけど、人の形をした電柱が並んでる感じだよ」 サク「じゃあ、私が行ってるところは何なの?」 友人「神話の中じゃないかな?」 闇と光と物語こそが神話の構成要素であるのなら、それは当然に真であることだよ。 【劇場版】マルドゥック・スクランブル-圧縮-
by saku_2425
| 2010-11-12 02:43
| 映画をみる
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