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ナイチンゲールの沈黙

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第4回『このミス』大賞受賞作、25万部突破のベストセラー『チーム・バチスタの栄光』に続くメディカル・エンターテインメント第2弾!
バチスタ・スキャンダルから9ヵ月後、愚痴外来田口&ロジカル・モンスター白鳥コンビが帰ってきた!

東城大学医学部付属病院・小児科病棟に勤務する浜田小夜。担当は、眼球に発生する癌―網膜芽腫(レティノブラストーマ)の子供たち。眼球を摘出されてしまう彼らの運命に心を痛めた小夜は、子供たちのメンタルサポートを不定愁訴外来・田口公平に依頼する。その渦中に、患児の父親が殺され、警察庁から派遣された加納警視正は院内捜査を開始する。小児科病棟や救急センターのスタッフ、大量吐血で緊急入院した伝説の歌姫、そこに厚生労働省の変人・白鳥圭輔も加わり、事件は思いもかけない展開を見せていく…。


「チーム・バチスタの栄光」の続編。田口・白鳥コンビ再びです。
えー、正直、作品としては「バチスタ」のほうが断然面白い、と思います。
話の核となる部分が妙にSFじみており、医学的なリアル感にも乏しい。残念。
「バチスタ」と比較してだけではなく、海堂尊作品の中では、もっとも面白くない・・・かな。

ただ、登場人物を確かなキャラクター性を持って描く力は本作にも発揮されています。
新たに登場するのは、警視庁の「美丈夫」加納警視正、放射線科の「がんがんトンネル魔人」島津助教授。このふたりのキャラクターもまた濃く、今後の活躍が期待されます(笑)
もちろん、厚生労働省の変人「ロジック・モンスター」白鳥圭輔がいちばん人気ですが(私の中で)。

次の「ジェネラル・ルージュの凱旋」を読む人にはぜひ読んでいてもらいたい。ある意味、二部作と捉えてもいいかも知れません。
海堂尊作品の中ではいまいちでも、決して質が低いわけではないです。
「チーム・バチスタの栄光」で2006年にデビューして、同年中に続編を発表してしまう。
現役の医師でありながら、2年足らずで既に10冊の単行本を上梓しているのです。
恐るべき速筆。彼の頭の中には、既に完璧な「桜宮サーガ」が構成されているのでしょうか。

ナイチンゲールの沈黙

海堂 尊 / 宝島社


ナイチンゲールの沈黙_f0034543_061920.gif子どもを描くのもうまい、と証明した作品
by saku_2425 | 2008-12-07 00:38 | 本をよむ
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