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ノルウェイの森

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さあ、ノルウェイの森ですよ!村上春樹ファンの私、もちろんうきうき観てきましたよ。

好きな小説や漫画の映画化に拒否感を抱く人も多いけど、私は基本的にそれはないです。
私にとって『ノルウェイの森』は文章を暗記するほど何度も読み返している小説のひとつで、自分なりの『ノルウェイの森』像がかっちり出来上がってはいるのだけど、だからこそまた別の人の『ノルウェイの森』像を見せてもらえるというのはとても楽しみでした。

で、今回の映画だけど、「そうきたかー!」という箇所がたくさんあって面白かった。

ひとつひとつ挙げていくとキリがないのだけど、登場人物の造形だけでも気づかされる点がいっぱいあって目からウロコがポロポロ落ちました。

たとえばワタナベ君。村上作品の主人公はたいてい孤独でゴーイングマイウェイな人物なのだけど、松山ケンイチ演じるワタナベ君はとてもナチュラルに「当時の大学生」だった。one of themだった。そうか、彼はまだ20歳そこそこで、何も確立されておらず、常に苛立っていて淋しい、ただの男の子だったんだ、とストンと腑に落ちたのでした。

「わたしのこと好き?」「好きだよ」「どれくらい好き?」「春の熊くらい好きだよ」とかいう会話をしていても、彼は淋しく甘っちょろいおぼっちゃんなんだよ。だって20歳だもん!

緑にしても、エキセントリックで挑発的で性的でキュートという「ザ・男の願望ガール」というイメージしか抱いていなかったけれど、好きな男があんなにフラフラしてるんじゃそりゃSっ気も出したくなるよな!と思った。20歳で両親を亡くした苦労人で、「こんなに苦労してるのにさらに恋愛で苦労するなんて嫌!」って、うんうん、私だって思うよ緑。

そしていちばん印象的だったのが菊池凜子演じる直子でした。直子のイメージは弱く儚く美しく、緑とはまた別の意味で「ザ・男の願望ガール」(まあ、村上春樹の描く女性はみんなそうですけど)だったのですが、映画の直子は喚くわ泣くわ暴れるわ!そのメンヘラぶりが本当に胸に迫って、直子が生きている、原作を超えた!とまで思ってしまった。

トラン・アン・ユン監督という、おそらく村上春樹のファンである人が徹底的に解釈した『ノルウェイの森』を堪能させてもらって幸せでした。ファン同士で会話ができた気がする。
言いたいことはたくさんあるけど(その音楽どうなんすか!?とか、レイコさんがただのエロ熟女みたいになってますけどそのイメージですか!?とかetc)、でもこの映画を観てよかったです。映画化してくれてありがとうー!今度読み返すときはさらに豊穣なイメージが広がる気がします。

でも原作に忠実な台詞まわしは、正直ちょっと罰ゲームでした。すみません監督。

■映画「ノルウェイの森」公式サイト
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by saku_2425 | 2010-12-29 16:57 | 映画をみる

マルドゥック・スクランブル -圧縮-

英語学校への通学および課題と、会社で義務付けられているオンラインの英語学習が物理的に両立しなくなってきたので、上司のアドバイスに従って英語学校に相談してみる。

サク「あのぅ、3月まで休学させてもらえませんか?」
受付「ダメです」

もー映画観に行ってやるから!

冲方丁の『マルドゥック・スクランブル』が映画になってるなんて誰も教えてくれなかったわ。
うわさによれば、オリジナル刊行時には挿絵つきのノベルであるらしいし、さらに漫画化もされているとか聞くけれど、私が購入・読了したのはあくまで「改訂新版」だった。
装丁はシンプルに真っ黒で、闇が立ち上るようなそれを私は非常に気に入ったのだけど、登場人物のイラストとか当然なかったわけで。それが映画化されたと聞けば、ルーン・バロットやウフコックがどのような造形であるのか気になるのは当たり前じゃないですか。ねえ。

そんな単純な動機でほいほいと行った映画館。最後列で本を読みつつ(私はひとりで映画に行くときはかなりの確率で最後列を選ぶ)、時折ちらちらと客席を眺める。
青い髪をツンツン立てたお兄さんに、隣に寄り添う黒髪のゴスロリちゃん。ひしとくっついて何かを一心に覗き込んでいる高校生と思しき男の子3人組。くたびれた(主に頭髪が)スーツ姿のおじさんは音を立てて何かを咀嚼している。その斜め前には、私と同じ年頃の女性がひとり凜とスクリーンを見つめている。まだ何も映っていない、暗くさえないスクリーンを見つめている。

そして予告編はマクロス。ああ……、エヴァのときもマクロスの予告編を観た気がするんだ。
マクロスってどういうアニメなんだろう。歌を歌っているよ。歌を歌っているよ。

始まる前にちょっと心がなよなよしましたが、映画は良かったです。原作の名言至言がそのままオンパレード。だって脚本が冲方丁本人なんだもの、そりゃブレないわよ。
「世の中はお前が思っている以上に焼けついてるさ」「焼ける前に火を消すさ。それが俺の有用性だ」「命が消えたあとの、虚無をくれ」「抱いて。タイトに」忠実!忠実ですな!

しかしああ、やはり、私の懸念は的中するのでありました。「あの厚い原作を、1時間ちょっとにどうやって収めるの?」-答えはもちろん“分割”。シリーズなら最初からそう言ってよう……。
盛り上がった頂点で暗転、エンディング!という流れに未だ納得できない。連ドラか。
「アメイジング・グレイス for バロット」という本田美奈子.の歌声を聴きながら、場内のあちこちから聞こえる啜り泣きに耳を澄ませる。あのカップルも泣いてるのかな。くたびれたおじさんも泣いてるのかな。それはバロットに心を寄せて?ぼんやりと映画館を出る。

さあ、次回作はいつ上映なんでしょう。原作でも続編が出るらしいな。楽しみにしておきます。

ところで、上映後に友人に感想を伝えたところ、「あなたの行く映画館はどうしてそうエモーショナルなのだ」と問われる。そういえばエヴァでも歓声と拍手が沸き起こったし、マイケル・ジャクソンの『THIS IS IT』でもスタンディングオべーションだったよ。映画館ってそういうものじゃないの?

友人「本当の映画館は、時々囁き声が聞こえるけど、人の形をした電柱が並んでる感じだよ」
サク「じゃあ、私が行ってるところは何なの?」
友人「神話の中じゃないかな?」

闇と光と物語こそが神話の構成要素であるのなら、それは当然に真であることだよ。

【劇場版】マルドゥック・スクランブル-圧縮-

マルドゥック・スクランブル〈改訂新版〉

冲方 丁 / 早川書房


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by saku_2425 | 2010-11-12 02:43 | 映画をみる

しつこくソルト

昨夜観たソルトがどうしても頭から離れなくて、出社するなり映画好きの同僚を捕まえる。
もともと低血圧で朝はテンションが低い同僚がビクッと身をひくのも無視してずいっと顔を近づける。

サク「ねえ、ソルト観た?」
同僚「み、観てないけど・・・」
サク「これから観るつもりある?」
同僚「いや、ない。好みじゃないし」
サク「じゃあネタバレしていい!?」

そして熱く熱くストーリーを語る私。状況を説明しているうちに、そのあまりの荒唐無稽さに少し笑えてくる。同僚も苦笑していたけど、でも荒唐無稽とかスケールでかすぎとかどうでもいいの。
問題は別のところにある。できるかぎり詳細に、ラストまで説明しきってから、同僚の反応を待つ。

同僚「・・・・・・続編あるんだ」
サク「やっぱりそう思う!?」

やっぱり続編アリなのね?ネットで調べてたら確かにそんな情報もあったんだけど、映画でそういうのってあり得るんだろうかと思ったの。終わったの?続くの?みたいな仕上がりってアリなのか。
小説では1Q84がまさにそうだったわけだけど、でもあれはあそこで完結でもよかったじゃん。
少なくとも私は1、2を読み終えた時点で満足していた。続いてもいいが、終わってもいいと思った。
これは私が小説は読み慣れていて、映画は観慣れていないせい?つまり、慣れの問題か?

いや、でも続編の有無は実はサクのひっかかりポイントでは時点なのだった。
確かにエンドロールが出た瞬間、カパッと口が開いたけど、いっとき閉じなかったけど、それを上回って「何なの?どうなってるの!?」と私を激しくクエスチョンで満たしたのは次の疑問だったのだ。

同僚「でもさあ、続編あるとしてもさ、ソルトはこの先何のために闘うの?」
サク「!!!(がっしり握手をしてひたすらうなずく)」

私にとってのこの映画の最大の謎とは、「彼女は何者なのか?」というところより、「彼女は何のために闘うのか?」なのですよ。いや本当に、中盤のターニングポイントから全く分からなくなってしまったのよ。疾走する列車から振り落とされた瞬間。
映画のレビュー等をネットでいろいろ観てみたけど、けっこう皆さん納得してらっしゃるし高評価だから、たぶん私がひとり分かってないんだと思う。同僚も、説明の途中で「?」という顔になってたし。
主人公の動機を見失うほどもやもやするものはないよ。ソルトさん、ちょっと足を止めてくれないか。

評価としては断トツに高い「インセプション」を差し置いて「ソルト」がこんなに心を占めている。

サク「決して好きじゃないんだけど、気になるんだよ~。頭から離れないんだよ~」
同僚「それは恋だ!」
サク「恋か!」

もうこのオチ飽きたよ、と思いながら、もう一度観に行ってしまうかも知れない自分が怖い。
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by saku_2425 | 2010-08-06 00:07 | 映画をみる

ソルト

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貧血だの仕事だのとやいやい言っておりますが、今年の目標は“今”を楽しむことだッ。
“no day but today”だよな、ということで、立て続けに映画を観てきました。日差しを浴びるのはまだ無理だけどインドアなら任せて!オフィスから歩いて3分、とことこ行くよ。

調子が悪いと集中力も低下し、大好きな読書も若干ハードルが上がってしまう。
かさかさと音を立てる感受性に危機感を覚えて入ってみた映画館で、「インセプション」の大盤振る舞いの「ザッツ・エンターテイメント」魂を頭からびしょびしょに浴びた快感は強烈でした。
ぼーっと座っているだけでも、めくるめく刺激がこれでもかと襲い掛かってくる。映画って親切だ。

他人の手に身をゆだねてスッキリするってところでは、精神のエステとも言えるかもしれん。

そんな快感をもう一度味わうべく、今日行ってきたのは「ソルト」。
同僚から「えっ、そんなの選ぶなんて意外~」と言われましたが、謎を孕んだストーリーも面白そうだし、アンジーの美しくかっこいいアクションも観たいじゃん、という程度で観てきました。
夏休みのレディースデーということもあり、ほぼ満員の映画館。後ろの席に座った中国人カップルが痛そうなアクションのたびに上げる中国語の悲鳴に気をとられつつも、いつしか没頭していました。

真実は何?ソルトの真意は?とわくわく見守り、「絶対100回は死んでる」というような凄まじいアクション(これは「インセプション」のときも思った。アメリカ人はみんな銃弾を避ける能力を持っているのか)に緊張しながら観続けていたのだけど、中盤辺りから何だか不穏な気配が漂い始める。
同時に自分の中でも抑え切れない不安がむくむくと頭をもたげ始め、やがてそれは言葉になる。

これ、終わるか・・・?

それからただただ疾走するソルトを見守り、スクリーンの中の全てが破壊されつくす様を見守り、隙を見ては脳内の情報を整理し直し、何よりソルトの思考を読もうと必死になっているうちに、気が付いたら暴走列車からひとりだけ振り落とされたかのように映画は終わっていたのでした。
呆然とエンドロールを見つめる私。え?ちょっと待って?お、終わったの?
何かみんな「面白かったー」って席を立ってる。え、みんなちゃんと理解できたの?ちょっと待って、もしかして私だけ分かってない?続編アリとかそういうの?でもそれも無理だよね?

だってあれですよ。ネタバレしないように必死で書きますが、もうあれってアンジーの華麗なアクションを愛でる♪って域を超えてるじゃないですか。美しいを通り越してかなり凄惨よ。もともと、「きれいに映ろう」という意識が皆無な人だとは思っていたけど、今回はさらにすごいよ。
「そこまでやるか!」のオンパレード。ソルトのみならず、登場する皆さん軒並みテンション高すぎ。
で、ソルトが「そこまでやる」動機を私は途中で見失ったらしい。それが敗因であることは分かった。

帰り道、もう一度じっくり思い返してみようと近所の中華料理店でひとりチャンポンを啜りながら考えていたけど、どうしてもしっくりこない。肝心の、ソルトの気持ちが分からないんだよ。まるで「頭で分かっても心がごねるの♪」ってやつだよ(by RADWIMPS)。
私は映画はひとりで観る派だけど、今度ばかりは誰かと一緒に観ればよかったと思いました。
ああ、語り合いてえ!でもネタバレなしでは語れない!(私に技術がないから)
ネットで見ると評価はかなり高いので、それを見るとますます私って根本的に「映画」ってものを分かってないんだろうか、と思ってしまう。嫌いとか悪いじゃなくて、「分からない」んだよ、ソルト。

ところで、銃でも爆弾でも空を飛んでも拳からビームが出ても夢の中でも、最後の最後は「素手で殴り合い」ってのはハリウッドの紳士協定みたいなものなのかしらねえ。
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by saku_2425 | 2010-08-05 00:09 | 映画をみる

(500)日のサマー

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今日は昼まで眠って元気を補給し、夕方から外出して「(500)日のサマー」を観てきました。

キュートで不思議なラブストーリーという漠然としたイメージを抱いていたのですが、のっけからナレーションで「これはラブストーリーではない」と念押しされてしまう。なんじゃそりゃ。
ラブストーリーでなければ何なのかと思いながら観ていたのですが、サマーに恋をしたトムの500日間を時間軸バラバラに描いているこの映画、そう、確かにラブストーリーではない。
なぜならふたりのストーリーは語られず、一切はトムの目を通した「描写」でしかないから。

主人公の男の子、トムを演じるジョセフ・ゴードン=レヴィットがとっても魅力的でした。
繊細で夢見がちで、優しくてユーモアがあってプライドが高くて頑な。犬のような目で一生懸命彼女を追う様子も、うまくいかなくなって自暴自棄になる様子も、とても知的に演じていました。
逆にサマーにはそこまで魅力を感じなかったのだけど、それはそもそもサマーの人物造形が「普通の女の子」だったからではないかな。その意味で、女優さんはとても上手く演じていたんじゃないかと。

エキセントリックでチャーミングな自由人であるサマーだけど、それはトムが描いたサマー。
真実の彼女は、ちょっと自意識過剰で情緒不安定で幸せになりたい、平凡な女の子なのだと思う。

「運命の恋なんて信じない」というサマーは、「恋人なんて要らない」と言いながら奔放な言動で純情なトムを引っ張りまわす。「サマーこそ運命の女の子だ」と思うトムは、サマーの意志を尊重しようとしながらも気持ちを抑えられなくなり、「ふたりの関係って何!?」と問いつめる。
そう、このふたりはとても「普通」なのです。ありふれた恋が始まり、ありふれた破局が訪れる。
ありふれた恋でも客観的ではなく主観的に描けば、こんなにもドラマティックな500日なのだ。

正直に告白すると、恋に舞い上がるトムのみっともなさや痛々しさがとても他人事とは思えず、けっこうな頻度で下を向いていました。ええ、ええ、私も恋をすると周りが見えなくなるタイプです。
明らかに気持ちが冷めているサマーを何とかもう一度振り向かせたいとあがくトム。周囲の友人たちから的を射た忠告をされても、全く受け入れずに猪突猛進。もう、全身全霊で恋をしちゃうんだ。
恋をして、天国と地獄を味わって、何とか立ち直るまでの500日。・・・500日もかかるのか・・・。

最後の最後、トムがサマーに「君は欲張りなんだね」と言うときのトムの表情がよかった。
「恋ってどうしようもなくみっともないよね、仕方ないよね!」と語り合いながら家路につきました。
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by saku_2425 | 2010-01-17 01:40 | 映画をみる

パリ・オペラ座のすべて

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2010年最初の映画鑑賞は「パリ・オペラ座のすべて」でした。

大抵の映画鑑賞はオフィスから歩いて3分のシネコンで済ませ、他所で上映されているものに興味を持っても結局は面倒くささが勝ってDVD待ちになることが多い私ですが、それでも年に数本は「これはどうしてもスクリーンで観たい!」とてくてく出掛けていく作品があります。
前置きが長くなりましたが、ようするに「パリ・オペラ座のすべて」はそういう作品だったのです。

世界最古かつ世界最高峰のバレエ団であるパリ・オペラ座。
154名のダンサーと、彼らを支える1,500名ものスタッフの身分は「国家公務員」なんだそうです。
「パリ・オペラ座のすべて」というタイトル通り、この映画ではオペラ座の隅々まで映し出されていて、稽古場はもちろん、衣装をちくちく縫っているところや(着ぐるみみたいなのつくってた・・・)、食堂や、経営陣がスポンサーの接待企画を練っているところなども全部見ることができます。
さらに、ダンサー達に年金制度を説明してたり、なぜか屋上で蜜蜂を飼っていたり、地下には水が流れていたりするのです(魚まで棲んでた!リアル「オペラ座の怪人」だ)。

ナレーションも音楽もない。説明もストーリーも何もない。登場人物だって誰ひとり紹介されない。
ただオペラ座の日常がみっちりと映し出されるだけというドキュメンタリーです。
だからこそ素晴らしい!何の主張もせず、ただ自然物のようにカメラがそこに在ったんだろう。
だってオペラ座自体が既に芸術作品なのだもの。カメラは鏡となってそれを映し出すだけでいい。
フレデリック・ワイズマン監督という人は今まで知らなかったけど、素晴らしい監督さんですね。

幾世紀も生きてきたフランスの宝、「オペラ座」という有機体こそが主役という映画です
もちろんダンサーあってのオペラ座であるから、バレエシーンは圧巻!稽古も、ゲネプロも凄い。
エトワール達の稽古場風景なんて滅多に見られないし、特にコンテンポラリーの振付師がダンサーに細かな解釈を伝えながら稽古をつけていく過程なんて、それ自体が刺激的な作品だったよ。

芸術に身を捧げている人間というのは、高みに行けば行くほど「自分」がなくなっていくような気がする。研ぎ澄まされた感性としなやかで強靭な肉体をまるごと器として、「降りてくるもの」を受け容れている。自意識など、自我など邪魔なだけ。ダンサー達を見ているとどうもそんな気がしてならないのだった。
そういえば、マイケル・ジャクソンのTHIS IS ITを観たときも同じようなこと感じたな。
ただ、マイケルはエンターテイメントに全てというわけではなく、「アメリカ国民」に身を捧げたという面もあるような。次元が違う話かも知れないけど、うーん、巫女というより生贄っぽいニュアンスが。

話が逸れたけど、そんなこんなで素晴らしい作品でございました。

バレエの知識は皆無に等しい私ですが(ローザンヌ国際バレエコンクールは毎年喰らい付きで観るのだけど、それはたぶんバレエ好きというよりオーディション好き)、一度オペラ座を生で観てみたくなった。行くかフランス?でもブロードウェイにも行きたいんだ!
鑑賞後、めずらしくパンフレットを買おうと思ったのだけど、売店が閉まっていて買えなかった・・・。
でも、寡黙な映画の代わりに公式サイトがけっこう親切に解説してくれているので、映画を鑑賞される際にはサイトを観てから行くとより深く楽しめるかもしれません。オススメです。

■パリ・オペラ座の公式サイトはこちら
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by saku_2425 | 2010-01-07 00:51 | 映画をみる

2009年、印象に残った映画ベスト3

三箇日も終わったので早速昨年を振り返っておりますよ!早速じゃないよ!遅いよ!
基本的に私はこの「振り返る」って行為が大好きです。何か「終わった~」って気になるじゃん?
そう、朝日より夕日が、プロローグよりエピローグが好きな女、それが私。

映画の話だった。

2009年の映画鑑賞を振り返ってみると、2008年より鑑賞数は減っているみたいです。
劇場とDVDでそれぞれ20本くらいでしょうか。そのせいか、ベスト3はスパッと決まりました。
とりあえず2009年劇場公開の作品に絞り、私の印象に残った映画は以下の3本です。

1、マイケル・ジャクソン THIS IS IT(※感動のあまり、独立したレビューを書いてなかった)
2、ヱヴァンゲリヲン新劇場版・破
3、レボリューショナリー・ロード~燃え尽きるまで

2009年の断トツは「マイケル・ジャクソン THIS IS IT」です。
この映画で彼を初めて観て、その音楽に初めて触れました。生身の彼は亡くなったわけだけど、アーティスト/マイケル・ジャクソンはこれからも変わらないから、出会いが遅すぎたとは感じません。
もともと私はこういうところがあるんだよ、小沢健二との出会いもそうだしな(彼は生きていますが)。

映画としての完成度も、舞台好きの私にとってはほぼパーフェクトに近いものでした。
同じオルテガ監督の「ハイスクールミュージカル ザ・ムービー」(2009)も個人的ヒットで、3位にしようか迷ったくらいなので、素晴らしいエンターテイメントを2作品も観せてもらえて彼には感謝です。
マイケルの存在感、ステージの空気、スタッフの表情、全てが印象深い堂々の1位でした。

2位は「ヱヴァンゲリヲン新劇場版・破」。感想を読み返していてまたあの興奮を思い出しましたよ。
上映が終わった後に拍手が起きたのは、これと「THIS IS IT」だけ。だけというか、人生で初!
2年前の「序」は「旧エヴァ(と言っていいのか?)」をほぼなぞっていたわけですが、この「破」はぐんぐん独自の方向へ進んでいって、一秒先の予想もつかない怒涛の展開に圧倒されましたな。

「THIS IS IT」もそうだけど、純度の高いエネルギーを帯びた作品というのは無条件で観客に感電するのだと思います。そして、観客ひとりひとりの奥にあるエネルギーを揺さぶり起こすのだ。
2009年、身体で反応したのはこの2作品。本当にいい経験をさせてもらいました。

3位は「レボリューショナリー・ロード~燃え尽きるまで」。2009年の初鑑賞となった作品です。
この衝撃も大きかった!負の衝撃だからなおさら、発散もされないまま1年間ずっと楔のように食い込んでましたねー。ある意味、2009年のテーマだったとも言えるかも知れん(言えないかも知れん)。
「自分探し」途中で結婚したらどうなるか。しかも相手も同じ状態だったらどうなるか。しかもしかも、それでもふたりがお互いへの愛情と未来への希望を持っていたらどうなるか!

ああいうことになるんですよ。怖いよ~~(号泣)

ということで、前述したように「ハイスクールミュージカル ザ・ムービー」も印象に残ったし(3だったので、1と2をすぐに借りてきて観たくらい)、DVDでは「ジェイン・オースティンの読書会」がすっごく良かった。
2010年もきっと素敵な出会いがあるでしょう。映画も本も星の数ほどあるのだから、出会いの可能性はそれこそ「無限」。素晴らしいなあ!わくわくします。今年もいい出会いに恵まれますように!

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by saku_2425 | 2010-01-04 21:34 | 映画をみる

アバター@3D試写会

仕事を抜けてちょっくら試写会で『アバター』を観てきました。初の3D!
入り口でゴーグルのようなメガネを渡されてわくわくしながら待つ。けっこう重いのね、このメガネ。
ちなみに仕事関係の試写会だったため周囲はほとんどスーツ姿のおじさまで、その方たちがもれなくでっかいメガネをかけて神妙にスクリーンに向かっている様子は実にほほえましいものでした。

さて、『アバター』ですが、まんま「ナウシカ」でした(笑)
あと「エヴァンゲリオン」と「もののけ姫」と「ロード・オブ・ザ・リング」と「ラスト・オブ・モヒカン」。
シーンも設定も展開もすべて「うん、どっかで観た」で埋め尽くされており、オリジナリティの欠片もない映画だったのが逆にすがすがしかったです。“映像が全て”ということなのね。

ちびみどりちゃんも一緒に観たのですが、「指輪物語だったな!」と一言で終わってました。
「ジェームズ・キャメロンはどこに行くんだろう」とも。私は監督の他作品を知らないので何とも言えませんが(「タイタニック」は観たことがある。ホラーだよね)、たぶん、“王道”を行くんじゃないかな。

この映画が公開された後、世界中でどのように評価されるのかは分かりませんが、少なくとも日本では上映中の館内が「ナウシカ・・・」というもくもくの吹き出しでいっぱいになると思いますぜ。
あと、やっぱり生身の人間ドラマが観たいなあ。CGはしんどいね。アナログ人間ですね。
それと、メガネをずっとかけていると鼻の付け根が赤くなるので特にデートでは気をつけよう。
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by saku_2425 | 2009-12-21 22:04 | 映画をみる

なくもんか

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「試写会が当たったんだけど行かない?」と同僚に誘われて、急遽行ってきました。
宮藤官九郎×阿部サダヲ。そりゃ観るでしょ!クドカンが監督ではないというのがまた良い(笑)
脚本・クドカン、監督・水田伸生、主演・阿部サダヲは、2007年の『舞妓Haaan!!!』と同じ顔ぶれ。クドカンが脚本+監督を務めた『少年メリケンサック』はいまいちのれなかったのだけど、『舞妓Haaan!!!』はすっごく好きだったので、これも楽しみにしていたのです。ラッキーでした。

で、作品ですが、良かったです。おおいに笑っておおいに泣いて、スッキリと楽しめました。
「家族」をテーマにしているせいか、意外とポピュラー。クドカンおなじみの下ネタや徹底した毒があまり見られず、初クドカン作品だという同僚も「面白かったね~」とにっこりしていました。
脚本も、けれんみがなくてシンプルな印象。ひねった展開はなくて、オチもストーリーも予想通りに進んでいく感じが『舞妓Haaan!!!』とはひと味ちがう「メジャーなクドカン」と言いますか(笑)

でも、そのシンプルなストーリーをこれでもかと極彩色に色づけするのが俳優陣なんだよねえ。
阿部サダヲはお見事の一言!阿部サダヲあっての主人公でした。捨てられた子どもであり、商店街のお人よしであり、親であり、夫であり、兄であり・・・という色んな表情を魅せてくれて素晴らしい。
瑛太さんの繊細な演技もお見事でした。あんなに存在感のある人なんだなあ。ラストシーンのステージ上で見せる表情にはぐっと来ました。

小気味良い演技でスクリーンに華を添えていたのが竹内結子さん。この人も素敵でした~。
クドカンが描く女性はたいてい「めんどくさい女」「うざい女」「勘違い女」「エキセントリックな女」などの要素をデフォルトで詰められるのですが(『舞妓Haaan!!!』の柴崎コウさんはまさにそうだった)、竹内さん演じる徹子は前述の要素を満たしながらも、かつ堂々たる“いい女”。かつ見事なコメディエンヌっぷり。いい女優さんだなあ!

他にも、いしだあゆみ、塚本高史、伊原剛志などなど、見ごたえのある役者さんたちがずらりです。

11月14日公開の『なくもんか』。この秋、オススメの一本ですよ。
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by saku_2425 | 2009-11-10 00:30 | 映画をみる

きみがぼくを見つけた日

今日は仕事帰りに隊長と映画を観てきました。

書き間違いじゃありませんよ。隊・長・と。同僚たちの「何で!?」という驚愕の表情がもう・・・。
何でかというと、『きみがぼくを見つけた日』の原作である『タイムトラベラーズ・ワイフ』は、昨年の秋に隊長が私に貸してくれたものだからです(読んだ感想はこちら)。
「映画化されるそうですよ」と何気なく知らせた私に「観に行こう!奢るから!」と隊長が大はしゃぎし、断る理由を見つけられないまま今日に至る。

案の定、ポップコーンはばりばり音を立てて食べるし、いちいち「おおっ!」とか「そうきたか~」とかぶつぶつ言うし、話し掛けようとするし、もう二度と隊長とは映画に行かない。

まあそれはそれとして、映画はとっても良かったです。
つくりは原作にとっても忠実で、不本意ながらタイム・トラベルを繰り返すヘンリーと、幼い頃から彼を待ち続けるクレアの愛が切なく、美しく、でも生活感をもってしっかりと描かれていました。
タイムトラベルものはどう転んでも「切なさ」から逃れられないわけですが、本作が(原作も併せて)いいなあと思うのは、孤独なタイム・トラベラーであるヘンリーが、クレアへの愛を自らの家とするところ。何度も過酷な目に遭いながらも、ヘンリーが生き抜こう、帰ろうという意欲を持ち続けられたのは、クレアの存在自体が彼の生きる意味になっているからなんでしょう。

ああ、分かった。これは「タイムトラベルもの」というより、「難病もの」なんだわ。

もうひとつ、この映画でとても素晴らしかったのは、クレア役のレイチェル・マクアダムス。
上映中から「何てチャーミングな表情をするんだろう、感情がそのまま身体全体から光って迸ってるみたいだ。この人知ってる、どっかで観たぞ」と思い続けていたのですが、調べてみて『きみに読む物語』に出ていたことを知りました。
そうそう、あれを観たときも「女優さんが素敵だ!!」と感想を書いた記憶があるよ(mixiに)。
ヘンリー役のエリック・バナも青年から壮年のさまざまな年齢を繊細に演じていてよかったです。

ちなみに隊長は鑑賞後、がっくりと落ち込んでいました。

「どうしたんですか?良かったですね、映画」
「良かったけど、切ないよな・・・」
「そんなの原作時点でわかってたじゃないですか。何を今さら」
「そうだけど、映像で観るとまた切なさが倍増するよな・・・」

しまいには、「観なきゃよかった・・・」とまで呟いていました。そんなにもか。

さて、私は他にも『THIS IS IT』、『私のなかのあなた』、『なくもんか』、『あなたは私の婿になる』、『パイレーツ・ロック』が観たい。忙しいねえ。幸せだねえ!秋だもの!

■きみがぼくを見つけた日オフィシャルサイトはこちら

きみがぼくを見つけた日 [DVD]


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by saku_2425 | 2009-10-29 23:59 | 映画をみる